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潮騒
第1章 序章ー凪ー
「おばあちゃん、ケーキ作ったけど、お茶飲む?」
今年十二歳になる孫娘が、お茶とケーキを持ってきた。
「なんとまぁ美味しそうな…これ、マキちゃんが作ったんかい?」
「うん。林檎とヨーグルトのケーキ。あんまり甘くないから食べやすいと思うよ。」
生地の間から林檎の覗くケーキは、少ししっとりとした質感で、冷たく冷やされていた。
「ありがとう…おじいちゃんが生きとったら、どんなにか喜んだやろうねぇ…お仏壇に、ちょっと供えたって?」
「わかった。」
孫娘は台所に戻り、しばらくしてから隣の続き間に入っていく足音がする。
…チーン…
というお鈴の音が聞こえた。
今年十二歳になる孫娘が、お茶とケーキを持ってきた。
「なんとまぁ美味しそうな…これ、マキちゃんが作ったんかい?」
「うん。林檎とヨーグルトのケーキ。あんまり甘くないから食べやすいと思うよ。」
生地の間から林檎の覗くケーキは、少ししっとりとした質感で、冷たく冷やされていた。
「ありがとう…おじいちゃんが生きとったら、どんなにか喜んだやろうねぇ…お仏壇に、ちょっと供えたって?」
「わかった。」
孫娘は台所に戻り、しばらくしてから隣の続き間に入っていく足音がする。
…チーン…
というお鈴の音が聞こえた。