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潮騒
第6章 日常 ー寄せ波ー
八歳になる良太郎は、面影がヨシやチヨに似ているものの、素直な良い子で。性格はお義父さん似かな、とポツリと漏らしたら、正一郎が笑う。
「八年前っちゅうたとこであんな爺ィに子が出来るわけないやろが。まぁ歳取っても助平なヤツも居るけどな。
親父はとうに枯れとるよ。アレはチヨの子や。嫁入り前に孕んでしもて、ふぅ悪いけ親父の養子にしとんや。」
という事は、戸籍上は義父母の子であっても実際は初孫ということか…
そりゃ可愛がるわなぁ…と、嫁いで以来の喉元のトゲのような引っかかりがひとつ取れた菊乃であった。
「八年前っちゅうたとこであんな爺ィに子が出来るわけないやろが。まぁ歳取っても助平なヤツも居るけどな。
親父はとうに枯れとるよ。アレはチヨの子や。嫁入り前に孕んでしもて、ふぅ悪いけ親父の養子にしとんや。」
という事は、戸籍上は義父母の子であっても実際は初孫ということか…
そりゃ可愛がるわなぁ…と、嫁いで以来の喉元のトゲのような引っかかりがひとつ取れた菊乃であった。