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まほろばマボロシ~仮初めの結婚~
第21章 ひとりぼっちの夜
そこに結翔が居るわけでもなく…

腕だって違う…

なのにシャツ1枚で傍に感じる。


「私って単純…」

小さく笑いながらも結翔のシャツに抱かれながらもこの日はベッドに潜り込んだ。

しかしやはり眠れない…雅はいつも結翔が眠りに就く側に手を伸ばす。

そのまま…

気付けば甘い花に誘われる蝶のように、結翔の残り香を求めて移動していた。

「結翔…ぉ」

直接面と向かってはまだ呼べないものの、雅はこの日結翔の名前から"君"が取れた。

そうこうしながらも気付けばいつしか眠りに就いて…

結翔が帰宅する日曜の朝を迎えた。
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