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まほろばマボロシ~仮初めの結婚~
第10章 触れる手の温もり
「余計って…私…」
「素直に言えばいいじゃん。なんでそれが出来ねぇの」
「…ッ」
「ハァ…わかんねぇ…」

まっすぐに見つめながら話して居る結翔と目を逸らす雅。

「解んないでしょ…」
「は?…何?」
「私どんな思いしてるか!」

勢いに任せて言い放った雅。少し苛立った様子で聞き返す結翔の顔色など伺う余裕も全く無いまま雅は話し出して止まらなくなった。

「私が拒んだり拒否する余裕なんて無かったの!何にも無かった…それも解らないで」
「待てよ」

手を掴みその勢いでダンっと壁に手を突いた結翔。
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