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いとかなし
第9章 こいしなん ゆくえをだにも
「ひっ、あぁっ」

乳首を指で摘まれるとあられの無い声が上がってしまう。

「乳首、弱い?」

くにくにと指先で捏ねられる。

「ぅんっ…」

片方を指で弄ばれ、片方は口に含まれころころと転がされる。

「あっ、んぅ…っ」

ぼんやり開いた視界に啓司の視線。

見上げるその瞳に心臓が煽られる。

掌で揉まれながら乳首を嬲られるのがこんなにイイなんて。

乳輪を摘まれ、軽く歯を立てられるとびりっとした快感が走る。

「啓、し、さ…ンンッ」

もじもじと膝を擦り合わせる。

胸を解放して、その手は浴衣を端から滑り込んで太腿を撫でた。

「膝、立てて?」

啓司の甘い囁きはお願いではなく命令。

糸はふるふると首を振るけれど、啓司は太腿を根元まで撫で上げるだけで、決して離れようとはしない。
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