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新しい生活
第12章 悪魔の囁き…
乗り込んだ車の中は、暖かく静かであった.
助手席に乗り込む前に軽い会釈だけをして、席に座ったが、なんて言っていいか
言葉を迷っていた…



「やっぱり…来てくれたんですね。嬉しいですよ…」
私の顔を見るなりに、鄭さんが口を開いた…


返事に戸惑いながら、口を開いた。
「…来ないつもりでしたけど…もう最後にしてほしいの…」
その言葉が本望であると思っていた。嫌、そうであった…


「ええ…そう言うだろうと思いましたよ…ご結婚されるんですものね…」
「でも…先日のが、あまりにも良くて…つい…、それに…タイプなんですよ…朋香さんみたいな…」
鄭さんは、そこまで言うと言葉を止めていた。

何を話したらいいかわからず、江田さんの事を聞いてみた。

「今は大阪にいるみたいですよ…でも、こっちにも来ている様子ですね…」
と何か引っかかる口ぶりが、私の中で引っ掛かった…


車は、都内の喧騒を抜け出していた。少し見覚えのある景色になっていた。


「…ほんと、最後にして下さい……だから、今日、最後に…」
私は、再度。意を決して口を開いた…

鄭さんは、無言であった…



気が付いた頃には、鄭さんのマンションの駐車場であった。









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