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第14章 初夏

長いキスだった…時間の隙間を埋めるかの様に、舌が絡みあっていた。
知宏さんの脚に手を置いた…欲しかった…抱かれたいと思っていた。

「今日は泊まれないね…仕方ないけど帰宅しよう…」少し残念な、知宏さんの顔が、
可愛らしいと思った。

公園を後に、地下鉄の駅に向かった。
「今週は、また学会で九州へ行くんだ…」
「出張が多いみたいだけど…頑張ってね。あと、紘一さんの事は、わかりました。」

知宏さんに見送られながら、電車に乗り込んだ。
部屋に着くと、少しソファでぼんやりとしていた。
幸せな時間だと思っていた。

知宏さんが居ない日に行くなんて、初めての事なんだ…と思うと、紘一さんと上手く会話とか出来るかな？とか変な心配が頭を過った。

お風呂に入ろうと思って、お湯を溜めた…
鏡の前に向かって、下着姿になって自分の姿を映した…
以前より、少し太ったのかも？と思いながら、ウエスト回りを気にした。

もやもやした気分が残っていた。