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kiss
第7章 dear
 ソファに引き上げられ、力強く押し倒される。
 肩に亜廉の指が食い込む。
「いッッ……た」
 大きく開いた襟から良い香りがする。
 石鹸だけじゃない。
 鎖骨の陰に汗が滲む。
「あー、やっぱり龍は可愛いね。ずっとこうして見つめてたいんだけど」
 首を長い指が這う。
「たとえば龍に首輪をつけて」
 ぐっと喉を押される。
「ぅくッッ」
「とびっきり紅いのが似合うだろうなぁ~。今日みたいに害虫が寄ってこないようにさ、鎖もつけて」
 声が耳を犯す。
 カタカタと歯が震えている。
「あっ、いや……一日中ベッドに縛り付けてあげるのもいいかな」
 突然担ぎ上げられる。
「ちょっ、先輩」
 手を掛けられ、下着ごと降ろされる。
 バタバタと脚を振る。
 床に服が落ちた。
 つーっと付け根に液が流れる。
 ヤバい。
「到着~」
 ギシ。
 ベッドに倒れる。
 見上げた亜廉は満面の笑みを浮かべていた。
 シャツを下げて中心を隠しながらあとずさる。
 シーツに皺が寄る。
 片方の膝が乗る。
「怖がらなくてもいいから」
「近づかないでくださいっ」
 ダンッ。
 顔のそばの壁についた手。
 音と衝撃に声もでない。
 口を押さえてハッハッと息をする。
「びくついちゃって……泣きそうな龍って本当にそそるよね。別に痛いことはしないから大丈夫だよ」
 どんなに優しい声でも落ち着かない。
 いつもの先輩の笑顔なのに。
「それとも」
 肩眉が上がる。
 口角も。
「無理矢理された方が興奮する?」
 熱い舌が涙を舐め取った。
 手が剥がされ、息も出来ないキスをされる。
「ん、んんっ」
 背中は壁だから逃げられない。
 不意に下半身に刺激が走る。
 顎を持ち上げられてるから見えないが、亜廉の指が卑しく動く。
「ふ……ッッんぁあ」
 先端を引っ掻き、筋を擦られる。
 段々と水音が響いてくる。
 グヂュ。
 脚を閉じても止まらない。
 叫びたくても口も塞がれている。

 犯される。

 そう思った途端、全身から力が抜けた。
「あれ。諦めたの?」
 ズズとベッドに横たわる。
「も……良いです」
 ふやけた唇から息が洩れる。
「先輩の、好きに……して」
 どうせ逃げられない。
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