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渇いた人妻たち
第3章  不倫願望
 「はい、下手ですが聞いてください」
 「お願いします」
 その夜の口開けを征男が歌い、その後は堰を切ったように次々と連続して歌う者あり、早くも席で居眠りする者あり、飲む者ありと無礼講の席は1時間もすると大分乱れ始めていた、偶々浩美が歌い始めた時、アルコールで目元をほんのり桜色にした建設会社専務の妻である明美から
 「駅長さん踊っていただけますか?」
 「良いですよ、よろこんで」
 二人は立ち上がりお互いに軽く会釈して近づき組もうとした時、彼女はいきなり両手を広げて征男に抱きついて来た。その夜が初対面の征男は彼女と同じように大胆に抱き返してやりたかったが、遠慮がちに右手を彼女の背中に廻し、優しく抱き、自分の背中に回していた彼女の右手を左手で外して、握り緊め肩口の付近に置きチークダンスを始めた。
 夫が酔っぱらって鼾をかいて寝ているのをいいことに明美は積極的で、強引に右脚を征男の股の間に割り込ませて、両脚で征男の右脚を意識して挟み込み、自分の下腹部を征男の下腹部に密着させ、豊満な胸の膨らみを訴えるかのように、ぐいぐいと押しつけ征男の背中に廻している左手に力を込めて、自分の方へと引きつけ肉体の渇きを訴えているのだった。
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