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向日葵
第8章 愛の痛み
 白石の腕の中で泣いていた。
いけないと思いつつ、互いの唇も重なり合っていた。
離れようとしても、白石の唇が離さない。
切ないキスは、私の理性を溶かしてしまいそうになる。

 ーー決して、白石を愛する事はないのにーー
無責任だ。
そんな事をしたらいけない。
唇を離して、責任が取れない性に流されぬ様、私は留まろうとした。


 「ダメです!」

 そう言った私に困惑した白石の瞳が映る。

 ダメよ!また同じ過ちを繰り返すだけ!

 「私は白石さんを傷つける。
私が愛しているのは、永遠にこの気持ちを秘密にしないといけない人だけなんです。
それは変わらないし、変われないんです」

 「そんな君ごと抱きしめるのもダメ?
こうしていたら温かいだろ?
安心しない?
一人で居るよりずっといいだろ?」


 「優しくしないで……
優しくしないでよ!」

 ダメと理性が訴えても、その優しさに堕ちていく弱さまでは止められなくなる…

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