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向日葵
第9章 セカンドセックス
やかんのお湯が沸き、手順に添って紅茶を淹れ、白石の前に差し出した。
私も白石の前に座った。
アールグレイの良い香りが部屋に漂う。
さっきまでセックスをしていた男女の匂いを消すかの様に…
白石は淹れたての紅茶を飲んだ。
「確かにいい香りだし、美味しいと思う。
だけど、俺は庶民的なインスタントコーヒーが好きだよ」
「そうですね。
私も自分の為だけなら、インスタントコーヒーを選びます。
だけど、面倒臭くても、最高の味や香りを知ってしまうと、手間暇かけてでも、その味や香りを惹き出したくなるんです。
こうして、紅茶の香りを嗅いで彼女との思い出に逃避してしまうんです」
「……本当に残酷だね。
俺も君に受け入れて貰えないのを知りながらも恋をした。
抱いたら余計、愛しい気持ちでいっぱいになった。
仕方ないのかな……」
「有難う御座います。
白石さんとこうなった事、後悔してません。
白石さんに抱かれている間だけ、普通の女になれた気がしました」
「それが君の答えなんだね?」
白石の瞳を真っ直ぐ見て、返事の代わりに頷いた。
私も白石の前に座った。
アールグレイの良い香りが部屋に漂う。
さっきまでセックスをしていた男女の匂いを消すかの様に…
白石は淹れたての紅茶を飲んだ。
「確かにいい香りだし、美味しいと思う。
だけど、俺は庶民的なインスタントコーヒーが好きだよ」
「そうですね。
私も自分の為だけなら、インスタントコーヒーを選びます。
だけど、面倒臭くても、最高の味や香りを知ってしまうと、手間暇かけてでも、その味や香りを惹き出したくなるんです。
こうして、紅茶の香りを嗅いで彼女との思い出に逃避してしまうんです」
「……本当に残酷だね。
俺も君に受け入れて貰えないのを知りながらも恋をした。
抱いたら余計、愛しい気持ちでいっぱいになった。
仕方ないのかな……」
「有難う御座います。
白石さんとこうなった事、後悔してません。
白石さんに抱かれている間だけ、普通の女になれた気がしました」
「それが君の答えなんだね?」
白石の瞳を真っ直ぐ見て、返事の代わりに頷いた。