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向日葵
第10章 人妻の彼女
ランチを終えて、デパートへ行った。
葉月のお目当ての冬物のコートを探した。
お金を気にせずに好きなブランドを巡る事が出来るのは、背負ったものの大きさの代償なのかもしれない。
「迷うねー
でも、温かくてお洒落なのが欲しいな…」
チラッと見ていたコートの値段は私には手が届かない。
諦めるし、欲しいという物欲すら消し去るほどのお値段だ。
店員は、全身高価なブランドもので身を包み、優雅な雰囲気を漂わせる葉月の元に寄ってきて、あれこれと世話を焼く。
そんな事に慣れっこな葉月は適当にあしらっていた。
「ねぇ、すみれはどっちがいいと思う?」
葉月は黒いカシミヤのロングコートと明るめのマスタード色のミディアムコートの二つを手に取っていた。
「飽きがこないのは黒よ。
でも、鮮やかに見えるのはマスタード色。
葉月ならどっちも似合う。
……けど、私ならマスタード色を買うわ」
「どうして?」
「私って根暗なとこあるから、せめて着ているもので誤魔化したいかな…」
「根暗って!?
ヤダーすみれ!ウケるぅ〜!
でも、すみれがコレ着たら可愛いだろうな…」
葉月は店員を呼び、両方のコートを買った。
別々の袋に入れて貰い、店を出ると『はい』と私に買った袋の一つを渡した。
「な、なによ!」
やや早足になって、歩いて行ってしまう貴女。
サプライズの照れ隠しにそうしているのかと思ったよ…
貴女の足に追いつき、並んで歩いていたら、いつもと変わらぬ笑顔で語り出す。
「結婚祝いのお返しよ!
夏の旅行はすみれからの結婚祝いなんでしょ?
このコートはすみれにあげるつもりで買ったのよ!
私より似合うからあげる」
「ダメよ!
こんな高いもの貰えないわ!
それにお祝い返しなんていいのよ!」
「いいんだよ…
すみれにあげたいんだよ……
ラストプレゼントだから……
すみれ」
えっ!?今、なんて?
何て言ったの……
聞き間違い?
葉月のお目当ての冬物のコートを探した。
お金を気にせずに好きなブランドを巡る事が出来るのは、背負ったものの大きさの代償なのかもしれない。
「迷うねー
でも、温かくてお洒落なのが欲しいな…」
チラッと見ていたコートの値段は私には手が届かない。
諦めるし、欲しいという物欲すら消し去るほどのお値段だ。
店員は、全身高価なブランドもので身を包み、優雅な雰囲気を漂わせる葉月の元に寄ってきて、あれこれと世話を焼く。
そんな事に慣れっこな葉月は適当にあしらっていた。
「ねぇ、すみれはどっちがいいと思う?」
葉月は黒いカシミヤのロングコートと明るめのマスタード色のミディアムコートの二つを手に取っていた。
「飽きがこないのは黒よ。
でも、鮮やかに見えるのはマスタード色。
葉月ならどっちも似合う。
……けど、私ならマスタード色を買うわ」
「どうして?」
「私って根暗なとこあるから、せめて着ているもので誤魔化したいかな…」
「根暗って!?
ヤダーすみれ!ウケるぅ〜!
でも、すみれがコレ着たら可愛いだろうな…」
葉月は店員を呼び、両方のコートを買った。
別々の袋に入れて貰い、店を出ると『はい』と私に買った袋の一つを渡した。
「な、なによ!」
やや早足になって、歩いて行ってしまう貴女。
サプライズの照れ隠しにそうしているのかと思ったよ…
貴女の足に追いつき、並んで歩いていたら、いつもと変わらぬ笑顔で語り出す。
「結婚祝いのお返しよ!
夏の旅行はすみれからの結婚祝いなんでしょ?
このコートはすみれにあげるつもりで買ったのよ!
私より似合うからあげる」
「ダメよ!
こんな高いもの貰えないわ!
それにお祝い返しなんていいのよ!」
「いいんだよ…
すみれにあげたいんだよ……
ラストプレゼントだから……
すみれ」
えっ!?今、なんて?
何て言ったの……
聞き間違い?