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向日葵
第3章 ビアンの純粋と闇
 「私もその場で泣いていたんだよ。

上手く言葉に言えなくて…
いじめという言葉でひと括りになっちゃうかもしれないけどさ、今の私なら美姫に言ってあげられるな…

 『美姫は綺麗でピアノも上手いし、クラスの男子の殆どが美姫の隠れファンだったから、女子は面白くなくて意地悪するんだよ。
バカみたいにチンケな嫉妬心の現れなんだから、気にしなく大丈夫!私は美姫が大好きよ』って……」

 「女って厄介だね」

 「そうね…厄介だわ。
そんな私達も女でしょ…葉月」

 「女なんだよね…
結局、美姫ちゃんとはどうなったの?」

 「あの日以来、美姫の近くに居たよ。
その他大勢のクラスメートより大事だったから。

 友達にはなれたんだ。

 美姫の近くに居るだけでドキドキした。
キュンと切ない恋心を隠す自分に酔いながらね。

 でも、美姫と私は天と地くらいの差があった。

 高校に進学する前に有名なコンクールに入賞して、ウィーンに旅立ちましたとさ。

 終わり。

 私の初恋は儚く散ったけど、同性愛者の自分には気づけた。

 そこからだよ。本当の苦しみが始まったのは」


 「うん…」


 耳を傾ける葉月に自分の過去の真実を打ち明けた。



 
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