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向日葵
第3章 ビアンの純粋と闇
 ーー受験が終れば、みんな普通に戻るわ。
十八歳は性に関しても好奇心旺盛な年頃。

 私も志望していた大学の文学部に合格していたし、梨花も短大に進学が決まっていたしね…

 受験の為に雁字搦めになっていた心も身体も解放されたくなる時期でもあったんだよね。

 羽目を外したくなるし…

 梨花が好きになった男もその類の人間だった。

 その男は同い年の秋津涼太(あきつりょうた)って言うんだけどね、外見も眼鏡をかけていてインテリな感じで、背も高いし、まぁ、イケメンの部類に入るタイプね。
志望していた大学の理工学部にも進学が決まっていたし、女の子から誘われたら悪い気もしなかいでしょ。

 照れながらも私達の誘いに応じたわ。

 涼太の友達で同じ塾に通っていた日向康介(ひむかいこうすけ)も誘って、梨花と私、涼太と康介の四人で遊園地でダブルデートする事にしたの。

 康介は涼太とは真逆なタイプで、ガッチリとした体育会系。
でも、頭は良いいの。薬科大に進んだはずだわ。

 私が普通の感覚を持つ女性として生まれていたのなら、当時はどちらかに惚れていたかもしれないわね…

 遊園地でダブルデートする事になって、待ち合わせは塾の最寄りの駅にしたんだ。

 時間より、十分前に着いた私はいろんな考えを巡らせていた。
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