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向日葵
第6章 逞しく生きる、女豹
レストランから少し離れた所まで歩き、梨花は落ち着いた感じの喫茶店を選び、『ここでいいわね?』と促した。
私は頷き、梨花の後に続いて店に入った。
店内はジャズが静かに流れ、コーヒーの香りが漂っていた。
梨花は奥のテーブル席に座る。
私は梨花の正面に座った。
注文を聞きに来たウェイトレスに早々とグレープフルーツジュースを注文する梨花。
私も長居はしたくないので、アイスコーヒーを頼んだ。
「久し振りね。
すみれ」
「久し振り…」
「先週ね、主人の母とランチをご一緒したの。
それであの店に行ったら、すみれを見かけたわ。
オーナーに話を聞いたら、あなたが仕事でお店の取材に来るって言うから、また会えると思って待っていたのよ」
「そう…」
「ねぇ、秋津涼太は覚えてるわよね?」
一瞬、心臓をグサッと鋭い刃物で刺された様な痛みが走る。
この女が私を誘ったのは、涼太の事で恨み節を嘆きたいからだと悟ってはいたが、単刀直入に言われてしまうと、やはり触れて欲しくない話でもあった。
「えぇ」
数分は続くであろう愚痴を聞く、開き直りの顔を作った。
ウェイトレスが私達の飲み物を運んできて目の前に置いた。
「これが堪らなく飲みたくなるのよ」
意味深げに飲み物を手にする梨花。
早くこの場から解放されたいと願う。
私は頷き、梨花の後に続いて店に入った。
店内はジャズが静かに流れ、コーヒーの香りが漂っていた。
梨花は奥のテーブル席に座る。
私は梨花の正面に座った。
注文を聞きに来たウェイトレスに早々とグレープフルーツジュースを注文する梨花。
私も長居はしたくないので、アイスコーヒーを頼んだ。
「久し振りね。
すみれ」
「久し振り…」
「先週ね、主人の母とランチをご一緒したの。
それであの店に行ったら、すみれを見かけたわ。
オーナーに話を聞いたら、あなたが仕事でお店の取材に来るって言うから、また会えると思って待っていたのよ」
「そう…」
「ねぇ、秋津涼太は覚えてるわよね?」
一瞬、心臓をグサッと鋭い刃物で刺された様な痛みが走る。
この女が私を誘ったのは、涼太の事で恨み節を嘆きたいからだと悟ってはいたが、単刀直入に言われてしまうと、やはり触れて欲しくない話でもあった。
「えぇ」
数分は続くであろう愚痴を聞く、開き直りの顔を作った。
ウェイトレスが私達の飲み物を運んできて目の前に置いた。
「これが堪らなく飲みたくなるのよ」
意味深げに飲み物を手にする梨花。
早くこの場から解放されたいと願う。