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続「辿り着く 先には」
第2章 『堕落』

今だけはそう言うことを考え無いでいようと、そう思った。明日には関東に帰らなければならないからだった。聖のものでいたかった。悲しみや辛さは今は沈めておきたい。
聖も人の悲しみを感じ取ってしまう。腰を引き寄せ抱き締められる。温かい胸に安心感を覚えた。
「今は何も考えんでいい。辛いことは絢音も言ったように僕が貰うから。愛してる、絢音。気を病むな。」
身長が高い分包み込んでくれる気がした。抱き締め返して、人の体温がこんなにも心を安心させることを知って今までこんな思いが出来なかったなとそう考えていた。見上げることなく言葉は胸の中に落ちる。
「私も愛してる。聖に逢えて本当に良かった。」
二人の温かさが辺りに漂っていた。一度だけ顎に指先を掛けられ、すぐにもまた唇は触れた。それに抗議の目を向けたのを見なかったことにした聖。
中に入り仏像などを見て、お互いが色々な深い話をすると、今までの博学や頭の良さを知ることとなり昔の聖に出会っていたらとふと考えて首を振る。
もし、その時に会えていてもこんな風に構われ無かっただろうと思った。仕事ばかりをして、精神的に気付いたときには鬱病になったと聞いていた。真面目な人間ほどこうしなければならないと言う思いが強い分、心を張詰め壊れていることも知らずに病に落ちる。
その時にはもう、闇は心を飲み込んだ時だ。この人の出世を望んでいた物達の落胆は、本人も回りも辛いこととなっただろうとそう思い胸を痛めた。
外に出ると空が美しかった。青と蒼が心を洗う。今の聖に出会っている事が大事なのだと思った。振り返り気持ちを切り替え、笑顔を向ける。強くなりたいと本当に心から思った、人を幸せにしたかった。
「お腹が減っちゃいました、ご主人様。」それに笑う聖を目にして嬉しかった。
「そう言うことは、素直に言えるんやな。」
「だって、それは必要ですもの。それに、ちょっとだけお酒もね。」
「ほんまに酒好きやなぁ。まぁ飲ませたる言うたしな。なら、餌タイムや。この先に土産屋がある、あそこなら色々、揃ってる。」
それに、嬉しそうに頷いて腕を絡めたのを目にして、本当に猫の様だなと思い少しだけ肌の触れあいにも慣れてきたかと思った。
聖も人の悲しみを感じ取ってしまう。腰を引き寄せ抱き締められる。温かい胸に安心感を覚えた。
「今は何も考えんでいい。辛いことは絢音も言ったように僕が貰うから。愛してる、絢音。気を病むな。」
身長が高い分包み込んでくれる気がした。抱き締め返して、人の体温がこんなにも心を安心させることを知って今までこんな思いが出来なかったなとそう考えていた。見上げることなく言葉は胸の中に落ちる。
「私も愛してる。聖に逢えて本当に良かった。」
二人の温かさが辺りに漂っていた。一度だけ顎に指先を掛けられ、すぐにもまた唇は触れた。それに抗議の目を向けたのを見なかったことにした聖。
中に入り仏像などを見て、お互いが色々な深い話をすると、今までの博学や頭の良さを知ることとなり昔の聖に出会っていたらとふと考えて首を振る。
もし、その時に会えていてもこんな風に構われ無かっただろうと思った。仕事ばかりをして、精神的に気付いたときには鬱病になったと聞いていた。真面目な人間ほどこうしなければならないと言う思いが強い分、心を張詰め壊れていることも知らずに病に落ちる。
その時にはもう、闇は心を飲み込んだ時だ。この人の出世を望んでいた物達の落胆は、本人も回りも辛いこととなっただろうとそう思い胸を痛めた。
外に出ると空が美しかった。青と蒼が心を洗う。今の聖に出会っている事が大事なのだと思った。振り返り気持ちを切り替え、笑顔を向ける。強くなりたいと本当に心から思った、人を幸せにしたかった。
「お腹が減っちゃいました、ご主人様。」それに笑う聖を目にして嬉しかった。
「そう言うことは、素直に言えるんやな。」
「だって、それは必要ですもの。それに、ちょっとだけお酒もね。」
「ほんまに酒好きやなぁ。まぁ飲ませたる言うたしな。なら、餌タイムや。この先に土産屋がある、あそこなら色々、揃ってる。」
それに、嬉しそうに頷いて腕を絡めたのを目にして、本当に猫の様だなと思い少しだけ肌の触れあいにも慣れてきたかと思った。

