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続「辿り着く 先には」
第2章 『堕落』
「・・・逝かせて頂いて、あり・・」続きをと即される絢音の心中は穏やかでは無かった。それを無視した。聖は腕を組んで、見下げる。
「逝かせて頂いてありがとうございました、ご主人様。」一気に言葉を絞り出したのを目にして笑った。それに胸を叩いて抗議の声を上げた絢音。
「もう、聖ったら、狡い。逆らえないようにして。」
「当然や、調教なんやから。さてと、絢音が逝ったのも見れたし、次に行こか。」

憎らしくも思いながらも、渋々と後ろから着いていく絢音だった。水面はそんな二人を見守り、琵琶湖の空気が少しだけかわったようだった。

車に乗り込む二人を見守る、日本一の湖。また来れるかしらと心に想うのだった。風は吹きすさび湖畔の水面を揺らす。それは、まるで絢音の心のようだった。車は二人を運び、琵琶湖はそれを見守っていた。

次に連れていってくれたのは醍醐寺だった。大きな門の飾りが美しく、本当に日本の美学は繊細と匠なのだと思っていた。お互いに関心の示す物も似ていて、一緒にいる間は本当に良く話をした。

中へ入ると、大きさはさほどではなかったが美しい枝並の垂れ桜が絢音を迎えた。新緑が出始めている。桜は花が終わってからが一年が始まるのだ。その緑を優しい手つきで触れた。穏やかな顔が今の絢音の精神状態を現している。それに、聖は愛しい目で見つめていた。本当に今まで見たどんな女達よりも楽しませてくれると、心底そう思う気持ちに嘘は無かった。触れる手に自分の手を重ねた。

「花が咲いているのを見せたかった・・・」
「大丈夫、想像できるから。この子は葉になっていたって、枝並が美しいし私達には桜が思い出ね。桜木町でも貴方と初めて降り立った時、桜の花びらが舞い散っていたわ。」
「そうやなぁ、もうかなり前に感じてしまうけど二ヶ月しかたってないんや、時は早い。」

腰を引き寄せられるが、顔は向けなかった。また唇を寄せられそうで、今まで本当にこんな女性的な扱いを受けたことがなかったのだ。戸惑いは隠すことが出来なかった。聖の鬱病からの不安なのか、常に何処かしら肌が触れていたいようだった。それとも昔からの女性への扱いがそうなのかとも思いふと考えて時首を振った。
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