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続「辿り着く 先には」
第5章 『遠隔』
「今の絢音は美しいだろうなぁ、香りたつ花のように。滑らかな肌には水跡が着いて百合の花のようか?」息づかいが荒く、聞こえているだろうに。急に羞恥心が沸く。聖の声だけは耳に響いて。
「そんな、美しくないわ。いつも言うけど。」
「絢音は美しいよ、華やかで百合よりはダリアかもしれんなぁ。」柔らかい守山の言葉が、心を落ち着けてゆく。近くにあったショールをとって、取りあえずはベッドへ潜り込んだ。

急激に恥ずかしさが襲ってきたからだった。花になど例えられたことは無かった。どんなにか、女扱いをされずに今まで生きてきたことだろう。
「聖の意地悪、いつも急激に私を襲ってそして女にして。」それに、笑い声が聞こえる。
「ほんま、面白い。他の奴隷達はありがとうを言うはずなのになぁ。なんや、気に食わんか?」
「他の女達の話は止めて、女扱いに慣れていないって言ってるもの。なんて、答えていいか、分からないわ。」
「素直に言うたらええ、ありがとうって。」
「世の中の女達が皆、女扱いを喜ぶとは限らないわ。」さらに、笑い声が聞こえて、怒っていた気持ちも失せてしまう。何を言っても互いの感覚がたまに、凄く違うところがやってくると笑われるか呆れられるかだった。

「絢音は女やよ、美しい花。僕の前では可愛い女でいたらええんよ。肩に力なんていれんでええ。今までの男が頼りなかったんやな。絢音の心は護ったる、心配せんでええ。」その言葉にとてつもなく、泣きたくなって涙を堪えた。辛かった思いをすぐにそうやって拾い上げてくれてしまう。どれ程の愛に餓えていたのだろうかと、思いながら・・・

「そうやって、いつも心を拐う。」
「拐って、なんぼや。シャワー浴びてきぃ、おやすみ、また明日。ゆっくり眠れるやろ。そんだけ逝けば。」
「もぅ、お・か・げ・さ・ま・で!お休みなさい、ご主人様!また、明日!」

少しなげやりにそう言ってから、電話を切ってため息を付いた。右を見ると惨事が広がっている。聖が自分を愛しむのはどんな心なのか考えて止めた。その気持ちなど到底、分かる筈もなかったからだ。ただ、翻弄され全てを奪われてしまうことしか、今は分からなかった。
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