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先生とわたし。
第6章 離れる距離
その晩優は、長江に抱かれた。
彼は、優が店の客になった2年前に、やはり高校生の彼女と別れていた。
親公認で、一緒に暮らしていたらしく、彼女も美容の道に進むと、結婚前提で付き合っていた。
だが、それは多感な年頃の女の子。
彼女の前に広がる道は限りなくあり、彼女は長江のもとを巣立ち栄養士の道を進み始めた。
優は、長江が電子機器の会社を辞め、どうしても諦めきれなかった憧れの美容師を、
この業界では入ることが難しい年になり、お兄さんと頼み込んで今の店に入れて貰っていたことを知っていた。
大変な努力家で腕を上げ、年を行っての入門で苦労していたのも知っているだけにどうしていいかわからなかった。
「優はかわいいし若いし、そのうち俺のこと忘れるだろうなぁ・・・」
そう言われ、優は返す言葉がなかった。