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明治鬼恋慕
第12章 陰間茶屋
でも自分が興奮している場合じゃない。
今は…何より
何より苦しんでいるのはリュウなんだから。
「‥で‥るッッ」
焔来の手管に誘われるまま、震える下腹部から欲情を吐き出したリュウ。
それを焔来の掌が受け止める。
受け止めた白濁液が指の隙間から溢れ…二人の足元に広がる。
先端の穴を熱い液が通りすぎるたびに、リュウは涎の垂れた口から「あっ、あっ」と小さく声を出した。
同時に、呼吸もできないほどだった胸のつかえが取れていく。
まともに立っていられなかった彼の荒い呼吸も…僅かに穏やかさを取り戻した。
「リュウ…少しは、ましになったか…?」
「…ハァ…っ、……う…ん、ッ─…ありがとう…」
「──…っ…また、硬くなってきたな…!」
それでも、強制的に発情させられた彼の熱はおさまりを見せない。
焔来はもう一度舌を絡めた。
───
憲兵たちの足音が通りから聞こえる。
一刻を争う事態だ。
焔来とリュウはこの花街から逃げなければならない。
だから焔来は、リュウを蝕む熱を追い出そうと急いだ。
ふたりで逃げ切るために──。
そして何より
自分に迷惑をかけまいと苦しみに耐えているリュウの姿を見るのは、一秒たりとも嫌だったから。