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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第9章 盗撮 編 3-1 コスプレ
こんなチャンスを逃がすことは無いよな・・・

真剣な表情で優しく大石は話し出した。

「本屋で初めて見かけた時にはね、正直に言うけど、立ち読みしているだけなのに、その姿が絵になっているなって見とれていたんだ。
だけどそれだけじゃなく、大人っぽい髪をかき上げる仕草や、目をキラキラさせて雑誌を見つめていたり、頬を染めて俯いている仕草も、まるで映画やドラマの1シーンみたいで魅力的だったよ。
だから、もっと見たい、そして撮りたいって気持ちが昂ぶってしまって、それで、あんな撮影をしてしまったんだけど・・・
本人も気が付いていないような、魅力的な表情や仕草まで撮れる様に頑張るから、モデルになって下さい」

ペコリと頭を下げて丁寧に頼むと、瞬きもせずに聞いていた少女の頬が赤く染まっていく。しかし今度は俯くことは無く、大石を見つめていた。

照れながら戸惑っている様な表情を浮かべているが、決して嫌がっていはいない、満更でもない様子だった。


他の人から見たら笑い出してしまいそうなセリフでも、大石はまじめな顔をして一気にまくしたてる様に話した。
これだけの美少女なら、綺麗だとか見た目の褒め言葉は飽きるほど聞いているだろう。
そんな女の子には、雰囲気や細かな仕草を他の人が使わない言葉で褒めるのが効果的だと、大石は経験で分かっていた。

多少恥ずかしくても言った方がいいし、言わないと伝わらない。
実際、街角でモデルのお願いをするのに、話を聞いてくれさえすれば、かなりの確率で女の子はOKしてくれているのが、大石の自信につながっていた。

そして、さらにダメ押しをする。

「もちろんモデル料は撮影内容に応じて払うからね。その相談を・・・あそこの喫茶店でしようか?行くよ」

まだ返事を貰っていなくても、先に歩き出してから彼女の様子を窺う。
どうしよう・・・と彼女はまだ途惑っている表情をしながらも、結局は大石の後を着いてきた。

心の中で大石はガッツポーズをする。


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