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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
部屋番号をもう一度確認した私は、エレベーターの中で行先の階を選びそっとボタンを押した。殆ど振動を感じさせないで動き出し、上昇している時でも動いているのかと疑ってしまう程の静かな空間。
デジタル表示の数字が増えていることだけが、目的の階に向かっていることをハッキリと教えてくれている。
胸のドキドキも同じように上昇していた。
ライブ前とは違った緊張感。どんな人が待っているのか、何をするのか、されるのか、考えても仕方がないのに意識してしまう。
このエレベーターだけを見ても、普通のレベルのホテルではないことが分かる。
家族旅行で泊まったことがあるホテルとは明らかに違う、高級なホテルだった。
気が付くとライブ前の緊張を押えるためにしている、握った右手を胸にあて、それを左手で押さえる仕草をしていた。
クスッと笑ってしまう。
コンテストの1週間前の土曜日、私はマネージャーに指示された場所へ向かっている。
そこで審査委員長をしている方に面接をして頂くことになっていて、それはファータフィオーレのデモビデオを見て興味を持ってくれたからだった。
そして、私を指名し、面接をしたい、とマネージャーに連絡があったらしい。
こんな所で面接・・・そんな訳ないじゃない・・・
でも、最後までしっかりとやり遂げて、コンテストの時有利な評価をして貰うんだ・・・
不安はあってもその決意は固かった。
目的階に着くと、音もなく扉が開いた。その先の暗めで落ち着いた明るさの中に進んだ私は、ゆっくりと指定された部屋に向かって歩いていく。
靴音が響かない。耳を凝らせば音楽が聞こえてくるだけの静けさの中で、私はドアの前に立った。
吸った息を静かに吐き出してから、ノックをする。
少しの間の後、内側のロックが外される音がして扉が内側に開いていった。
現れたのは、想像していたのとは違うタイプの人だった。
「こんにちは、どうぞ入ってください」そういって笑顔で場所を開けてくれる。
シャワーを浴びていたのか、バスローブを着ていた。髪も濡れたままだった。
部屋に入り、ドアが閉められてから挨拶をした。
「はじめまして。ファータフィオーレのリーダー、夏妃です。宜しくお願いします」
頭を下げてから顔を上げると、こちらこそ宜しく、そう言って人懐っこい笑顔のままで私の背中に手を回し部屋の奥に入る事を促してきた。
デジタル表示の数字が増えていることだけが、目的の階に向かっていることをハッキリと教えてくれている。
胸のドキドキも同じように上昇していた。
ライブ前とは違った緊張感。どんな人が待っているのか、何をするのか、されるのか、考えても仕方がないのに意識してしまう。
このエレベーターだけを見ても、普通のレベルのホテルではないことが分かる。
家族旅行で泊まったことがあるホテルとは明らかに違う、高級なホテルだった。
気が付くとライブ前の緊張を押えるためにしている、握った右手を胸にあて、それを左手で押さえる仕草をしていた。
クスッと笑ってしまう。
コンテストの1週間前の土曜日、私はマネージャーに指示された場所へ向かっている。
そこで審査委員長をしている方に面接をして頂くことになっていて、それはファータフィオーレのデモビデオを見て興味を持ってくれたからだった。
そして、私を指名し、面接をしたい、とマネージャーに連絡があったらしい。
こんな所で面接・・・そんな訳ないじゃない・・・
でも、最後までしっかりとやり遂げて、コンテストの時有利な評価をして貰うんだ・・・
不安はあってもその決意は固かった。
目的階に着くと、音もなく扉が開いた。その先の暗めで落ち着いた明るさの中に進んだ私は、ゆっくりと指定された部屋に向かって歩いていく。
靴音が響かない。耳を凝らせば音楽が聞こえてくるだけの静けさの中で、私はドアの前に立った。
吸った息を静かに吐き出してから、ノックをする。
少しの間の後、内側のロックが外される音がして扉が内側に開いていった。
現れたのは、想像していたのとは違うタイプの人だった。
「こんにちは、どうぞ入ってください」そういって笑顔で場所を開けてくれる。
シャワーを浴びていたのか、バスローブを着ていた。髪も濡れたままだった。
部屋に入り、ドアが閉められてから挨拶をした。
「はじめまして。ファータフィオーレのリーダー、夏妃です。宜しくお願いします」
頭を下げてから顔を上げると、こちらこそ宜しく、そう言って人懐っこい笑顔のままで私の背中に手を回し部屋の奥に入る事を促してきた。