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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
セカンドシングルの振り付けが、思ってもいなかった有名な振付師の方にしてもらえる事になる、と聞いた時、私は信じられない気持ちでいっぱいでした。
今までもアイドルグループの振り付けを担当して、曲だけでなく振りも可愛いと話題になり、ヒットをさせてきた振付師だからです。
デビューしたばかりの私達、ファータフィオーレの担当をしてもらえればそれだけでTVのエンタメ情報で取り上げられることもあるでしょう。

ただその分レッスンは厳しくて、途中で諦めてしまうグループも過去にはあったと聞いています。
最初のレッスン日が近付いて来ると、浮かれていた私も少しずつ不安な気持ちになっていきます。
話題になる分、こなせなければ一気に悪いイメージを持たれてしまいます。

ダンスにも自信のあった私でしたけど、マイナスな気持ちが顔に出ていたのか、ある日マネージャーが声をかけてきました。
「どうした涼奈。基礎練習に集中できていなかった様だけど?・・・」
「・・・はい、あの・・・」
マネージャーは、正直に不安に思っていることを打ち明ける私の話を、最後までちゃんと聞いてくれます。
それだけでも、私の気持ちは楽になっていくのでした。
「そうか・・・。ただ涼奈にはファータフィオーレの歌だけでなくダンスも引っ張っていく存在になって欲しいから、今回のレッスンは大きなチャンスやだと思う」
突然のマネージャーの言葉にドキリとしてしまいます。
引っ張っていく・・・存在?・・・私が?・・・

「対外的な事を考えてリーダーは夏妃になっているけど、中をまとめていける様に涼奈には成長して欲しいんだよ」
そう言って見つめてくるマネージャーの視線が恥ずかしくて、思わず目を逸らしてしまいます。
ど、どうしよう?・・・そんなこと急に言われても・・・
プレッシャーがかかったように少しずつ焦り出した自分の気持ちを、自分でも抑えられなくなってきます。
小学生の頃は初めて会う人と、話をすることを意識するだけでも焦り出していました。
顔が熱くなってきます。汗も出てきました。落ち着かなきゃ、と心の中で呟きます。
「ところで、それとは別の話があるんだが・・・」
私の様子にお構いなく、マネージャは話を続けます。
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