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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第16章 ストーカー(僕の彼女)編 1-1
彼女と初めて出会ったのは、バイト帰りに電車を待つ駅のホームだった。
夕方の帰宅ラッシュが始まる少し前の時間。顔なじみになった聖杏学園
の女の子達といつもの様に挨拶を交わしていた僕は、彼女と目が合うと
一瞬で固まってしまった。視線を逸らすことが出来なくなってしまう。
合否判定の基準に容姿まで入っているのでは、と言われている聖杏の女
子達。その子達が多くいるこの駅のホームでも、彼女の存在感は別次元
のものだった。

小顔で卵型の輪郭の中にクリッとした大きな瞳と、鼻と唇がバランスよ
く綺麗に収まっている。
まだ幼さの残る美少女顔は、可愛いと言う表現が今はピッタリな言い方
だ。そしてこれから成長していけば美人になるのは想像に難くない。
身長は160cmくらい。細身のスタイルで均整の取れた体つき。聖杏
女子の代名詞、制服のミニスカートが良く似合う色白の美脚が眩しい。
胸の膨らみも大きすぎることは無く、かと言って薄いこともない。彼女
らしい膨らみだ。
お友達と楽しそうに会話をしながら時折見せる笑顔も、また素敵だった。
笑う時にさりげなく口元に手を当てるしぐさが上品さを醸し出していて
も、やはり年頃の女の子らしく、上半身を揺らして屈託なく笑う様子は
見ていて気持ちが良い。
後頭部の高い位置で髪をまとめたポニーテールも良く似合っている。彼
女の動きに合わせて黒く綺麗な長めのしっぽがゆらゆら揺れて、それは
ずっと眺めていたくなる程魅力的だった。

僕は積極的に、しかし優しく話しかけてみた。一瞬目が合っても、彼女
は瞳を逸らしてお友達との会話に戻ってしまう。
そうだよね・・・
僕は落ち着いた気持ちで頷いた。知り合いになった他の聖杏女子達もそ
うだけど、恥ずかしがり屋さんが多いのは分かっていたから。
分かっているよ・・・少しずつでいいから解りあっていこうね・・・
焦る必要は無い。僕はゆっくりとその場を少し離れ、彼女を見守ること
にした。同じ聖杏学園の男子生徒2人が話しかけているのが見えても、
気にしない。彼女が安らかに過ごせる日常も大事なことだ。
でもね・・・
僕は心臓の高鳴りを感じながら思った。
2人が出会えたことは、運命なんだよ・・・


ストーカー用語
運命の出会い:偶然見かけた相手を一方的に好きになること
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