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第16章 ストーカー（僕の彼女）編　１－１

聖杏学園に通うようになって１年とちょっと。
進学校らしく生徒の自主性に任せられている部分が多いこの学園で、
私は窮屈さを感じることなく、自由な学園の校風に染まりながら、
毎日を楽しく過ごしていた。
目標の大学進学に問題が無ければ、基本的には自由、なことが多い。
学園外での活動も許されていて、アイドルやコスプレイヤーとして
結構有名な子たちがいたりもする。バイトをするのにも許可は要ら
ない。私はメイド喫茶で働いていた。
ただ、自由と言ってもメイクやネイル、派手な髪染めや極端なパーマ
等は禁止されている。でも他の人と同じに見られるのは嫌。そんな感
じの子が、ここには多いから、禁止されている以外の事でお洒落さを
競ったりすることが、殆どの女子達の関心事だった。
自分がそうだからよく分かる。
成績の事でも負けたくないけど、外見の事でも負けたくない。

この学園の特徴？の一つは、入学の基準に容姿まで含まれている、
そんな噂が流れる程、綺麗な子と可愛い子が多いことだった。
私も、入学式の時とクラスの人達と初めて一緒になった時に、噂通り
だなと思った。
中学の時はクラスに２、３人だけだったレベルの子が、どこを向いて
もいる。そんな感じだ。
私も自分の容姿には多少なりとも自信を持っている。勿論そんなこと
は誰にも言わない。言わないけれど、それはスポーツで他の人より優
れている所があって、自信を持っている事と同じだと思っている。
自信を持つこと自体は悪い事ではないし、だからと言ってそれを自慢
しても意味は無い。それをどう生かしていくか、それが大事なことだ
と思う。