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女子大生 水野果歩
第25章 女子大生 水野果歩(25)
「果歩ぉ・・・果歩?ちょっと、ねぇ果歩ぉ?」

「……え?」

いつものように大学の食堂で昼食をいっしょにとっていた果歩と知子。

毎度のようにくだらない事を知子が話し掛けるも、果歩は心ここに有らずといった様子だ。

「どうしたのよ?昼間からボ~っとしちゃって。」

「う、ううん・・・別に、なんでもないよ・・・。」

「あっ!わかった!友哉君とケンカでもしたんでしょ?」

「え?ち・・・ちが・・・」

結局昨日は友哉からメールの返事はなかった。

しかし、果歩の気持ちが暗くなっていたのはそれだけが原因じゃなかった。


『アッアッアッ・・・・アン・・・ぁ・・・ハァ・・・富田・・・さん・・・』


昨日、たまりに溜まっていた自分の欲求を開放した時、頭の中で果歩は富田に抱かれていた。

そう、恋人の友哉ではなく、あのバイト先のオーナーである富田に。

自慰行為の後、ベッドの中でなんとも言えない罪悪感を感じ、涙を流した果歩。

頼りにしていた友哉がいなくなって、すぐにこんな風になってしまった自分の弱い心が嫌だった。

このタイミングで友哉からメールが来なくなったのも、そんな心に隙がある自分の責任ではないかと思ってしまうくらい果歩はマイナス思考になっていた。


「ふ~ん、友哉君からメールが来なくなったかぁ。友哉君忙しいんじゃないの?」

「うん、たぶんそうだと思うんだけど・・・。」

「大丈夫よぉ、そんな心配しなくたって。あっそうだぁ!果歩、友哉君に電話してみたら?」

知子は明るい笑顔をつくってそう言った。

「電話かぁ・・・うん、そうしてみようかな。」

「きっと何かメールを送れない事情があったのよ。電話して声聞けば、すぐ安心よ。」

「うん、そうしてみる。ありがとう知子ちゃん。」

知子はいつも果歩をからかってばかりだが、肝心なときにはいつも真剣に相談にのってくれたり励ましたりしてくれる。

そんな優しい知子と友達になれて本当によかったと、果歩は心の底から思っていた。


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