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恋文
第5章 10/09/2016

あなたが書いた物、今はもう、わたしには、あなただとはわからないでしょうね…
今はどんな思想でどんな文章を書いているでしょうか…
あの頃のわたしは、遠い二階席から一階のステージ前のあなたの、わずかに見える耳の形だけで、あなただとわかりました。
それくらいいつも一生懸命見つめていました…
2組の先輩に片思いしていた仲良しの友達と、3年生が休みの日、教室に忍び込んだことがありました。
あなたの机を見つけてうれしくて一人椅子に座ってにやけていました。
体育館シューズ出して眺めたり、机の中覗いてみたり…
机に何か書き残して行こうかとも思いましたが…叱られるのが怖くてできませんでした…ふふふ
あなたが座っている席から、いつも自分が見上げている中庭越しの生物教室の廊下を眺めました。
席替えの時、友達に頼んで、なんか奢って、窓際の席に変えてもらうって教えてくれましたよね。
とてもうれしかったです。
そこでわたしの作ったお弁当食べながら、みんなに気付かれないようにさりげなく手をあげてくれるのや、友達と談笑してる姿が見えるとうれしくて…
3年生はそれでなくても大人で違う世界で…
それに加え、男クラは怖くて前を通ると空気だけで犯されそうで、普段とても近寄りきれなくて…
だってホントに動物園のゴリラの集団の檻の前に差し出されるような…
牢獄の囚人たちの前に晒されるような異様な羞恥と恐怖で…
足り入り禁止区域でしたよね…ふふふ
あなたが話す友達のいろいろな話や、先生の話、男クラならではでとても愉しく聞いていました。
女の子の話もよく聞かせてくれましたよね…
妬いて哀しくなるやら、可笑しくて噴き出すやら…
階段下で撮った女の子達のパンチラ写真や、夜の公園に後輩連れて覗きに行った話、友達とポルノ映画に行って中年男性に太股触られた話は今でも覚えていますよ。
ふふふ…

