この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
貸し出し遊戯
第22章 赤黒く濡れた交接器
蘭はたまらなく悠介に抱きしめてほしいような気持ちになった。
幼い頃の多くを一人で過ごし、また、丈夫ではなかった身体にも希望の持てなかった蘭は、
常に不安の中におり、怯える心を抱えて過ごしてきた。
彼女は悠介の上にうつ伏せ、その心臓の鼓動を聞くように肌を重ねた。
彼の鼓動に合わせるように、蘭は呼吸を合わせた。
それはとても静かで心地よく、不安も怯えもすべてが薄れてゆき、
ひとつに溶け合うような安らぎに包まれた時間であった。
悠介はそんな幼子のような蘭を優しくそっと抱きしめた。