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貸し出し遊戯
第1章 いきさつ サイド蘭
海が見渡せるリゾートホテルのロビー、脇にはプールではしゃぐ宿泊客。
蘭はエメラルドグリーンのシフォンのマキシドレスに、つばの広い白い帽子、紫のサングラスという出で立ちである男性を待っていた。
蘭の夫が参加している、相互交換会の男性である。
相互交換とは、了承の上、パートナーを交換してベッドを愉しむというもので、
自分の『モチモノ』を貸し出し愉しんでもらい、美術品を鑑賞するように、互いに後で敬意を持って卑猥な形容で誉めあったりする。
紳士的な男性が多く、パートナーと盛り上がることを前提にされていた。
また、女性オーナーや、夫婦共に貸し出し主な場合もあり、
バリエーションは多岐に渉った。
蘭(ラン)は37歳で、夫の柚月 聡史(ユヅキ サトシ)は3つ年上の40歳で、開業の耳鼻科医であった。
聡史が蘭を見つけたのは歓楽街で、聡史が飲みに出た際に、ラウンジで働く蘭がお客と同伴出勤で花屋の店先で楽しげに話している姿だった。