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タワーマンションの恋人
第4章 * シオン
「ヤマノベ シオンって言えば知ってる?」
奥原さんの言葉を反芻して、スマホに打ちこみ検索をしてしてみる。
「……へっ?!」
検索の一番頭に出てくるプロフィールを2度見する。
山辺 詩音 (18)
「18…?…じ、じゅうはち…?」
まさか10代の男の子が来るだなんて思ってなかったから、単純に驚いた。
パニックになって奥原さんに電話を掛け直しそうになったのを思い留まり、奥の部屋に置いていってもらった彼らの媒体関係に目を通してみた。
綺麗にラックに並べられた雑誌をごっそりと床に降ろす。
そして何冊か手に取って気がついた。
かなりの頻度でその顔が表紙になっている。
「…あ、知ってる、この子…。」
きっと10代の若い子たちの中で最近人気の子。
その証拠に表紙になってる雑誌はほとんどティーン向けのものだった。
ケイタも含め、わたしの知らない世界でこうして人気を博している人が、きっと世の中たくさんいるのだろう。
クラブ勤務をしていたころ、夜中帰宅した時にたまたま点けたテレビでも、彼を見た気がする。
媒体を通して何度か観たことがある。
たったそれだけなのに、また緊張が走る。
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