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第13章 チチデール　前編

魔物の村を離れ、街道に戻り、ラッカとニーナは西へ西へと進みます。

都からは離れ、人家も少なくなります。
宿場街の数も少なくなり、野宿になることもあります。

石畳で舗装した道は終わり、土の道を歩きます。

今、ラッカとニーナが歩いてるところは、荒涼とした岩山が続いています。


「ニーナは巫女なんだよな？」
歩きながらラッカがニーナに尋ねます。

「はいっ！」
ニーナが元気よく答えます。

「だったら、人を治療した経験はある？　治癒魔法は使える？」

「そ･･･それは･･･」
口ごもるニーナ。

巫女とは、白魔法系の魔術を使う魔法使いの女性のことです。

人を助けるべき白魔法の中では、治癒魔法は最も大事なのですが、いまだに治療魔法を使えないニーナは、恥ずかしいです。