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第13章 チチデール　前編

馬車を御すのはラッカです。
ニーナは馬車の荷台で、赤ちゃんを抱いています。

馬車だと都まで一週間の距離です。


ニーナの腕の中で、赤ちゃんが泣きます。

「どうしたんだ！　オシッコしたのか？　荷台にオムツがたくさん積んであったと思うぞ」
ラッカが言いました。

ニーナはオムツを交換します。

もちろんニーナには出産や育児の経験はありませんが、ソーソイア村では近所の子供の子守りをした経験があります。

しかし、オムツは湿っておらず、オムツを替えても赤ちゃんは泣き止みません。

「お乳を飲みたいのかも･･･」
ニーナはラッカに言いました。

「お乳？！　そんなもん、俺は出ないし、ニーナも出ないだろ。　どうするんだい？　この辺りは人家も無いし･･･」
困惑した表情のラッカ。