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想うより、想われる方が良い?
第7章 輝昭の事情。
「タクマ、その言葉、
そっくりそのままお前に返すよ。
全く、射精の余韻をぶち壊しやがって、何の用だよ」

浴室と脱衣場を仕切るのはガラス。
そこそこ距離があっても、丸見え。

そんな場所でオナってるのを見つけたら、
普通、気づかない振りをして出ていくだろ。

ガン見するのは、タクマぐらいだ。
俺に何の遠慮もしない。

「いーや、ひっさしぶりに、
 輝昭様のお元気ぃなお顔を拝見しようとか、
 まぁ、そんな事、
 ぜーんぜん思わへんけどぉ。
 近くまで来たついでやしぃ、
 下で秋吉におうたしなぁ、
 とりあえず、
 邪魔しとこかーって。
 あかんかった?」

タオルを投げてよこし、
普段と変わらないダルイ話し方だが、それは表面だけ。

ドアを開けたまま視線の端に秋吉を捉え、聴覚で奴の動きを把握し続けている。

そしてリビングを片付ける秋吉も、同じ事をしているはず。

俺の部屋で"縄張り争い"は止めて欲しいが、、
タクマの主{あるじ}は親父、秋吉の主は母さんだから、諦めるしかない。
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