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第12章 意地悪。

『ｯ。別に、、
礼を言われるような
御大層な事はしていませんよ。
今回の洗浄は
手間はかかっても
技術的には難易度の低い物でしたから』

『それでも･･私にとっては奇跡。
九死に一生を得た奇跡みたい。』

『･･･大袈裟な･･』

ブルコントさんは苦笑いをしながら
私の涙を優しく拭う。

温かな手が少しくすぐったくて笑うと、

『ヴィオレット』

ゆっくりと引き寄せられ、
何故か抗わずに唇を重ねた。

過去の支えも未来への約束もない曖昧な感情のまま。


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