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不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第1章 新月
風はなく
ただひんやりとした湿った空気と
足元に落ちる雨が
妙に僕の胸を切なく締め付けた
目の前を傘を差した人達が通りすぎていく
車道は雨天時お決まりの渋滞が始まり
日曜の街が暮れていく…
――その時
僕の目の前を傘も差さず
急ぐでもなく通りすぎる女性に気が付いた
あれは!
『歩美!!』
僕は君の名前を叫んで
後ろから細い腕を掴んでいた
"もう一度やり直せないか?"
そう言いたかった
"心から好きだ"
胸に秘めたまま言えなかった言葉を
今なら言える気がしていた
ただひんやりとした湿った空気と
足元に落ちる雨が
妙に僕の胸を切なく締め付けた
目の前を傘を差した人達が通りすぎていく
車道は雨天時お決まりの渋滞が始まり
日曜の街が暮れていく…
――その時
僕の目の前を傘も差さず
急ぐでもなく通りすぎる女性に気が付いた
あれは!
『歩美!!』
僕は君の名前を叫んで
後ろから細い腕を掴んでいた
"もう一度やり直せないか?"
そう言いたかった
"心から好きだ"
胸に秘めたまま言えなかった言葉を
今なら言える気がしていた