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不知夜月(いざよいづき)の夜に――
第1章 新月
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『私の事好き?』
抱き合えば君はいつも聞いたね


『あぁ』
僕は曖昧な軽い返事をして
君のふくよかな乳房を掴み
柔らかな実を口に含んだ


『んっ…あぁ…っ…』


甘く舌先を滑らせると
口の中で硬くなるその小さな実
君のよがり声が僕を刺激する


柔肌の美しい君の身体に夢中だった


温かな君の中が締め付けるその刺激が
僕を別の世界へ連れていってくれた


それなのに…


抱き合えば抱き合うほど
それが当たり前の事になって
失うはずの無いものだと思い込んだ


自惚れ以外の何物でもない


そんな高慢な気持ちが
君を不安にさせていった


あの夜流した涙の訳も
僕には知る由も無かった


別れを決意してた
最後の夜だった事など…



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