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あなたが教えてくれたこと
第7章 7
それは抗いがたい甘美な心地だった。

「ううっ……うぁ……あ」

伸びきった喉から濁った声が溢れていた。
皺の一つひとつを愛でられ、紫遠の瞳から理性が薄れていく。

舌でたっぷりと蕩かされ、蕾はふんわりと開き気味に色付いた。

「いきなりじゃ指も痛いだろうから」

そう言って彼が取り出したのは綿棒だった。黒いものを用意してくれたのは彼なりの優しさだったのかもしれない。

「怖い……」
「力を抜いていれば大丈夫」

そっと添えられた細い棒がゆっくりと紫遠の中へと沈んでいく。

「ううっ……あああっ!」

貞淑な彼女も流石に咆哮を上げた。
頼りないくらいに細い綿棒が、これほど苦しみを与えるとは思いもしなかった。

「挿ったよ」

遼平は緊張気味に嗤う。

「はい……」

異物感が激しいが、受け入れられた悦びが掻き消してくれる。

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