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あなたが教えてくれたこと
第3章 3
「お前の按摩は力がなくて全然駄目だ。指も疲れただろう?」
「すいません、お義父様」

ようやく解放されると安堵した次の瞬間、絶望に突き落とされる。

「指はいいから腰を圧しつけなさい。腰でマッサージするんだ」
「えっ!?」

そんな按摩などあるはずがない。
しかし彼は平然とそう言ってのけた。

「早くしなさい」
「……はい」

それでも触られるよりはましだと判断するあたり、紫遠の思考は彼らによって歪まされていた。

「失礼します」と言ったあと、立ち膝で義父の腰に跨がり、股を圧しつけた。
いくら衰えていないとはいえ老人の身体は骨張っていた。

「おお、そうだ」

言いなりになる紫遠に気をよくしたのか、冨士雄は嬉しそうに目を閉じたまま嗤う。

「そのまま腰を滑らせて圧してくれ」

言われたままにするしかなかった。
彼女はぎこちない腰遣いで義父に胯間を圧しつけて滑らせる。
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