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あなたが教えてくれたこと
第2章 2
インターフォンが鳴り、時計を見上げると午後五時を指していた。
『家庭教師の先生が来る時間だわ……』
料理する手を止めた紫遠がモニター越しにやりとりを済ませて玄関に向かう。
広い家だが今住んでいるのは紫遠たち三人の家族の他に義父が一人の四人しかいない。
家政婦を置くのを好まない夫の意向から家事は全て妻である紫遠が行っている。
「お待たせいたしました」と言いながらドアを開け、そのまま家庭教師を招き入れるつもりだったが彼女は固まってしまう。
少しグレーがかった瞳に白い肌がまず目に留まった。更にはその整った鼻筋、百八五十センチは超えていようかという長身。
異国の人かと紫遠は身構えた。
「はじめまして。今日から家庭教師としてお世話になる赤名遼平(あかなりょうへい)と申します」
どこにも違和感のないイントネーションで名乗られ、ようやく日本人だと確信出来た。
『家庭教師の先生が来る時間だわ……』
料理する手を止めた紫遠がモニター越しにやりとりを済ませて玄関に向かう。
広い家だが今住んでいるのは紫遠たち三人の家族の他に義父が一人の四人しかいない。
家政婦を置くのを好まない夫の意向から家事は全て妻である紫遠が行っている。
「お待たせいたしました」と言いながらドアを開け、そのまま家庭教師を招き入れるつもりだったが彼女は固まってしまう。
少しグレーがかった瞳に白い肌がまず目に留まった。更にはその整った鼻筋、百八五十センチは超えていようかという長身。
異国の人かと紫遠は身構えた。
「はじめまして。今日から家庭教師としてお世話になる赤名遼平(あかなりょうへい)と申します」
どこにも違和感のないイントネーションで名乗られ、ようやく日本人だと確信出来た。