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第9章 人目を避けて

　サービスエリアの駐車場に入ると、付近で車に乗ろうとして

いた何人かの人たちは、スーパーカーみたいな車に気を取られ、

どんな人が降りてくるのだろうと、恨めしそうに見つめられて

いる所へ二人が降りたち、彼女から勇次の腕を取って、飲み物

売場へと向かって行った。

　二人は飲み物を買い、知らない土地で知人に会う事も無いと

安心して、お互いに自分の相手を自慢するかのように、笑みを

浮かべて腕を組み、木陰にあるベンチに寄り添うように座った。

「理恵、話の続きだけど君の云う通り、喜んで貰うことにする
よ、国産車で僕の欲しい車で良いの？」

「良いわよ、それでお金は現金で渡すから、いくら渡せばいい
の？」