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サイトの人
第25章 迷路
エレベーターを降りても、チヨの足はなかなか進まない。

「ほら、行くよ。あんまりワガママ言うとまたサイトウさんの好きにさせるよ?それとも、それを望んでるの?」

「違いますっ、ほんとにっ、せめて今日は…」

「今日だからだよ。ほら、ったくもう。早くしなさい。人に見られて興奮する変態が、今さら恥ずかしがっても遅いんだよ」

怒っているかのように、突然口調が変わったタカダに、チヨはびくりと震える。

「なに?ほんとに嫌なの?下着もつけずに歩いてるくせに」

それ以上、大きな声で言わないで。
チヨは体が恥ずかしさで熱くなる。

もう、ついていくしかないのだ。

手を引かれ、ようやくチヨは歩き出した。

ドアに入ると、もう一枚の扉。
タカダはチヨの背中を押し、部屋に入る。

チヨは押されるがままに進み、部屋を見て呆然とした。


以前入った部屋とは比較にならないほど、そこは、淫らな空気でチヨを待っていた。

「え?なに?ここ…」

「そろそろライトから卒業しないとね。こっちが本物のSMルームだよ」
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