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第11章 ご褒美
どれくらい気を失っていたのか、チヨが意識を取り戻すと、タカダは腕に抱いたチヨの頭を優しく撫でていた。

「大丈夫?」

タカダの問いに、恥ずかしげに小さく頷く。

そっと腕からチヨを抜くと、そのままゆっくりと抱き起こした。

「飲む?」

差し出されたペットボトルを受け取り、半分ほどを一気に飲み干した。

「ごめんね、やり過ぎた?」

「…いえ」

チヨはシーツで体を隠しながら、答える。

「もう疲れたでしょう。休もうか」

チヨは、誘われるがまま、ベットに寝る。
タカダはその頭を子供をあやすように撫で続けていた。

「あの…」

「ん?」

チヨは体力も残ってはいないけれど。
なぜだか勝手に言葉がこぼれる。

「ご褒美は、今日はなしですか?」

タカダは驚いたようにチヨを見つめる。

「んー。そりゃしたいけど。ちーちゃん、もう無理でしょう?」

「でも…」

「したいの?」

チヨは、答えない。
もう限界をとっくに超えるほど弄ばれ、これ以上できるわけがないと思うのに。

このまま終わると思うと、なぜだか泣きそうになるのだ。

「ま、今日は頑張ったし。ちーちゃんがいいならご褒美あげるよ?」

チヨは、返事の代わりに寝そべるタカダにしがみつく。

「いいの?ちーちゃん疲れてるからって、優しくしないからね?」

タカダはチヨの返事を待たず、張り付いていた体を離すと、仰向けに抑え込んだ。
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