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キスの後で…
第6章 で
目を覚まして先輩の方を見ると
スタンドライトを点けたテーブルで何か一生懸命書いている。
「何をしているんですか?」
「レポート」

レポートだと、自分の部屋のほうが資料とかあるんじゃないの?

「先輩、私もう大丈夫ですから。家でやってください」
「なに?俺がいたら迷惑?」
「違いますよ。家のほうが便利だと思って」

「いいから。黙って看病されてろ」
「・・・は~い」

昼間寝て、だいぶ治ってきた身体はそんなにダルくなくて
すぐには眠くない。

騒がしいテレビとは違って
静かな心地いい音楽が、私と先輩を包んでいた。

何もやることがなくて
レポートを書いている先輩の顔をじっと見つめる。

「何?」

その気配を感じ取ったのか、顔も上げずに不器用に聞く。


「凄く・・・好きだなぁ・・・と思って」
正直に言えば

「はぁ?」

恥ずかしさを隠すように少しだけ乱暴に答えた。

「今日は看病してくれてありがとうございます」
「治ったらしっかりお礼してもらうからな!」

「はーい」

穏やかな空気の中で、私は再び目を閉じた。
そんな私に先輩はそっと近づいて
額に手を当てて熱を測ると
そっと、そっとキスをした。

そんな優しい行為を私は夢の中で感じていた。

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