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キスの後で…
第2章 ス
15分なんてあっと言う間で。
そりゃそうだよ。
20分前までロストバージンの「ロ」の字も考えていなかったのに
今はその危機に直面している。

いや・・・
斎藤先輩の事は好きなのだけど。
大好きなのだけど。

これってなんか違いませんか?

私の心はずっと警告音が鳴り響いていて。
こんな風に処女を捨てていいものか
そもそも「捨てる」と考えているこの状況こそ間違っているんじゃないか、とか。

でもでも。斎藤先輩と付き合えるなら
斎藤先輩とエッチ出来るなら
それでもいいんじゃないかとか。

いつかはどうせロストバージンするんだから
斎藤先輩がいい!なんてよこしまな事を考えている私もいるわけで。

そんなことを考えていたら
手を引っ張られながら歩いてきた15分なんてあっという間だった。

学生用のアパートはアパートと呼ぶには小綺麗で
小さな一人用の玄関に入ると
学生としてはちょっと広めのワンルームが向こうに見えた。

さっさと一人で部屋に入った先輩は何やらゴソゴソと押し入れで探し物をして
「あ~・・・」と残念そうな声を出す。

「夏休みに柳下たちと花火やったんだけどさ」

花火・・・ですか?
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