この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
霞草
第9章 無知
反対側から、カーブを抜けて街からのバスも来る。
「珍しいわね。この時間帯はここでバスが鉢合わせするのね。」
おばさんの声、
反対側のバスが止まるのも珍しい。宿に来る客ぐらいしか降りないのだから…
反対側のバスが先に発車し降りた人が見える。
霞だ。
少し早い帰りだが、
霞だった。
テストがあるから早く終わったのだろうか。
僕の乗ったバスも発車し、バス停に両親がいるのを見て、僕に気付いた霞。
霞が走っている。
僕も、おじさん達への挨拶もままならず、バスの後ろの席に急ぐ。
僕は、走る霞に手を振り、
「ごめんね。ごめんね。」
と繰り返す。
霞が
「しゅう、黙って行かないでよ」
と叫んでいるのが聞こえるが、
僕は「ごめんね」と小さく言うだけ…
「珍しいわね。この時間帯はここでバスが鉢合わせするのね。」
おばさんの声、
反対側のバスが止まるのも珍しい。宿に来る客ぐらいしか降りないのだから…
反対側のバスが先に発車し降りた人が見える。
霞だ。
少し早い帰りだが、
霞だった。
テストがあるから早く終わったのだろうか。
僕の乗ったバスも発車し、バス停に両親がいるのを見て、僕に気付いた霞。
霞が走っている。
僕も、おじさん達への挨拶もままならず、バスの後ろの席に急ぐ。
僕は、走る霞に手を振り、
「ごめんね。ごめんね。」
と繰り返す。
霞が
「しゅう、黙って行かないでよ」
と叫んでいるのが聞こえるが、
僕は「ごめんね」と小さく言うだけ…