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霞草
第6章 二人の想い
「良かった。そんなに行列になってない。」
彼女が急いできたのは、ソフトクリームの売店。
そういえば、街にもソフトクリーム屋が沢山あった。
「ここが、一番美味しいんですって。
街のは牧場の取れたてミルクで作ってるって書いてても、本当は市販の牛乳らしいの。」
「へえー、霞、食べたことないの?」
「制服じゃ入れないし、休みには凄い行列なの。この為に出てくるほどでもないし。
いつか、チャンスがあったら、ううん、是非食べたいって、」
瞳がキラキラしている。
「じゃあ、昨日は眠れなかったんじゃない?」
「それがさっき食事してて、突然思い出したの。
忘れたままなら後悔したわ。
昨日は、別の意味で眠れなかったの。
せっかく、あなたを案内するならどこにしようと悩んでいてね。」
『別の意味で…』
と彼女が言った時、僕は期待してしまった。
実は、僕も昨日は眠れなかった。
僕と同じ意味でならいいな……と、、
家から離れて、カップルだらけのスポットに二人で出掛ける。