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霞草
第6章 二人の想い
霞だって、こんなにはしゃいでいるし、やはり、普通の高校生なんだな。
最初、同い年かもしれないと思うほど大人にみえたけど。
僕は心の中で呟いた。
30分ほど、こいだだろうか。
その間、霞は、右、左の指示だけでなく、通り過ぎた可笑しなネーミングの観光スポットの説明をしたり、ずっと話していた。
「僕達どこに向かってるの?」
「牧場、といっても観光用の、
本当の酪農家は、うちの方の山に数軒あるだけなんだ。何でも客寄せに使う。」
「ふうん。」
それなら、何でわざわざ行くんだろう。
牧場が見え始めた。
牛や馬が見える。
「馬はわざわざ引き馬したり、乗馬体験とかって、お金儲けに飼われるの。」
乗馬がしたい訳でもなさそうだ。
着いた。
霞が
「早く早く。」
よっぽど急ぎたいのか、僕の手を引っ張る。
彼女の方から手を握られて、僕はドキドキしているが、彼女は手をつないでいる事すら意識していないようだ。