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霞草
第7章 すれ違い
ちょうど、受験勉強の役にもなるからと、家庭教師を引き受けた。

もちろん、霞のそばにいたかったのもあった。

翌日から、畑仕事や宿の手伝いの合間に、霞の教科書を借りて勉強した。

受験生に遅れをとっているという焦りもあったのかも知れないが、
霞の帰りを待つのに持て余している時間を潰すのに、ちょうど良かった。

霞は、僕の隣の部屋にちゃぶ台を用意して、平日帰ってくると、そこで二人で勉強した。

霞は苦手な教科があると言っていたが、それほどでもなく、たまにわからない箇所をきいてくることはあったが、ほとんど自分で勉強していた。

その間、僕は、他の教科の勉強をしていた。

そして、教科書の合間から、霞のさらさらの黒髪を眺めたり、わからないところを教えるとき、霞のすぐ隣に座るのに、ドキドキしていた。

畑仕事や手伝いも、少しずつ慣れてきて、前ほど疲れなくなってきた。

周りの景色は、霞が話していたように、種々の花々が咲き乱れ、来た時とだいぶかわり、美しい季節を迎えた。

そして週末には、景色を楽しむ宿泊客が訪れるため、一日中、霞と出掛けることは、ほとんど出来なかった。

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