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夢…獏の喰わぬ夢
第5章 夢の中
「最初に断っておくけど、私、人の夢の通訳者じゃないから、正確な意味を説明することは出来ないわ。
それが過去の記憶なのか将来起こることなのかも、わからない。
だけど、確かなのは、…あなたが私を手離したくないと思っていること、
互いに何度も同じ過ちを繰り返しても一緒にいたいと思っていること、
越えられない壁を乗り越えるコツをもう一人の私たちは知っていること、
告げることが禁じられていて互いが滅ぶことを優先させなければならないと知っている。」
「僕達は一緒にいてはいけないのか?」
「そうではないわ。過去の記憶、前世とかいうけど少し違うわね。記憶に縛られた私たちは、乗り越えるべき何かがある。」
「それを乗り越えることはできるのか?」
「分からない。私なら、」
「君なら?」
「夢の中で、その瞬間にもう一人の自分になって謎解きをして乗り越えるんだけど」