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夢…獏の喰わぬ夢
第5章 夢の中
「いや、僕は君を離さないよ。例え神様が一緒にいるのを許さないとしても」
彼女の頬が薔薇色になり瞳が喜びの輝きになる。
「ありがとう。」
彼女は僕の胸に頬を寄せる。
暖かい。
彼女はこのぬくもりを分かち合う為に僕にシャツを着させなかったんだ。
「僕は、ずっと、君を離さない。ずっと一緒にいよう。」
「それは約束できないわ」
「何で?」
僕のずっと一緒という言葉は四六時中と取られてしまったかな?そこまで雁字搦めに束縛するつもりはなかったのだが。
「その約束はつまらないわ」
「どうして?」
「約束に縛られて一緒にいるんじゃないもの。
そんな約束して、あなたがそれを不自由に思う時が来たとして…、
約束の為に離れられないと思ったら、今まで楽しかった時間が思い出したくない過去になっていくわ。
約束なんていらないわ。今、一緒にいることが幸せ、明日も一緒にいたい。
それがずっと続いたら、私達はずっと一緒にいたという長い時間の中に歴史を刻むことになるわ。」